韓国が日本の高級ブドウ「ルビーロマン」を盗んで栽培
石川県金沢市の中央卸売市場で行われた初セリで、1房140万円という驚きの値がついたブドウがある。その名は「ルビーロマン」。
宝石を彷彿とさせる鮮やかな赤色の実はピンポン玉サイズで、糖度は18度以上と濃厚な甘さ。開発に14年もの歳月を要した超高級ブドウだ。年々更新される初セリの最高額は、開発者や生産者の努力に報いるものだろう。
そんな喜ばしいニュースからわずか2週間後、韓国メディアが驚きのニュースを報じた。
石川県でしか栽培されていないはずのルビーロマンが韓国で栽培され、販売されるというのだ。県や生産者が細心の注意を払い、管理を徹底してきたはずのブドウが、どうやって韓国に流出し、栽培されているのか。私たち取材班は、生産農家と苗木の販売業者を直撃し、その実態に迫った。
「シャインマスカットに取って代わる…一房8万ウォンの特級ブドウ」
これは先月末、韓国の大手経済紙に掲載された記事の見出しだ。
記事ではルビーロマンを石川県産の日本最高級ブドウと紹介し、今年初めて韓国の生産者の手によって国内産品種として栽培され、8月から初めて販売が始まると伝えている。
ルビーロマンを開発し、日本で品種登録している石川県に記事について伝えると「韓国の農家とは何の契約も結んでおらず、現在は苗の持ち出しも禁止されている。韓国での品種登録はしていない」としたうえで「韓国で栽培されているという話は初耳だ」と驚きを隠せない様子だった。
生産者直撃「先進国として大目に見て…」
私たち取材班はルビーロマンを栽培している農家の話しを聞くため、韓国第五の都市・大田(テジョン)市から車で1時間ほどの農業用ハウスが点在している田園地帯に向かった。
果樹園にいた生産者を直撃すると、日本メディアが取材に来たことに戸惑いの表情を浮かべながら、「ルビーロマンを無断で栽培している」と認めた。
「(ルビーロマンの苗を)手順を踏んで手に入れたものではない。とてもいいものだと思ったから栽培している。シャインマスカットなどの問題で、日本が品種問題を敏感にとらえていることはわかっているので取材には応じられない。韓国人が日本人のものを奪っていったと見られがちで…日本側から見れば、盗み出したと考えるだろう。日本の農業は韓国の先を行っている。先進国の立場で大目に見て欲しい」