柏木由紀「なんで30歳でアイドルをやっちゃいけないのか?」
AKB48の柏木由紀が、2021年7月15日に30歳の誕生日を迎える。2年前に表明した「30歳までAKB48を卒業しません」という宣言が現実のものとなり、30代の正規メンバーが誕生すればグループ史上初の事例ということになる。
■アイドルを“先がない仕事”にしたくない
─ 柏木さんの宣言は、いま横山さんがおっしゃったような「なんとなくアイドルってこういうものだよね」という謎のルールに対する「本当にそうか?」という問題提起でもあったわけですよね。
柏木:そうですね。私が48グループ最年長になったときにもいろいろな意見を耳にしたり目にしたりしましたが、だんだん「それで何かに迷惑をかけているかな?」っていう気持ちになってきて(笑)。純粋に応援してくれる方が目の前にいて、私はその人たちに「楽しい」と思ってもらえることをしたいだけなんですよ。「その気持ちを持つことに、悪いことがあるのだろうか?」ってやっと思えてきたというか。だから応援してくれる人がいる限りは続けたいし、この年齢だからといって「なんとなくそういう決まりみたいだから辞めます」というのは、応援してくださる方に失礼だなと思って。
─ 実際、「なんで30歳でアイドルをやっちゃいけないのか」という問いに明確な答えを出せる人ってあまりいないんじゃないかと思うんですよ。
柏木:結局、今までのメンバーはみんな20代の間にAKB48を卒業しているので、それがある種の先入観になっている可能性はありますね。
─ そこで柏木さんが前例を作ることで、あとに続く人たちも続きやすくなりますよね。
柏木:なったらいいなあとは思いますけど。“先がない仕事”としてアイドルを選ぶって、めちゃくちゃ悲しいことじゃないですか。「アイドルは一生続けられるお仕事だ」というふうになったらいいなと思いますね。