下着脱がせる、整耳より下に後ろ髪を縛るのは「男子がうなじを見て欲情するから禁止」
違反している下着は学校で脱がせる、整髪料は発見したら洗髪させる――。福岡県弁護士会は22日、福岡市内の全市立中学校に実施した校則調査の内容を明らかにした。8割以上の学校に下着の色規制があり、大半の学校で頭髪や眉毛に関する校則があった。違反に対する一部指導には、県弁護士会が「人権侵害」と指摘する対応もあった。県弁護士会は来年2月にシンポジウムを開催し、校則見直しに向けて提言する予定。
県弁護士会は、市に情報公開請求して市立中学校全69校の校則を調査した。また、複数の生徒や保護者、教職員に、生徒手帳などに書かれていない校則などがないか体験や見聞きしたことを聞き取り調査した。
髪の色が58校▽(肌着などの)下着の色が57校▽眉毛が56校
69校が生徒手帳などで明記している校則のうち、髪形・髪の長さを規制しているのが62校▽髪の色が58校▽(肌着などの)下着の色が57校▽眉毛が56校――あった。違反者には「整髪料は発見次第、洗髪させる」「眉が生えそろうまで書くこともある」「下着を学校で脱がせる」などの記載もあった。下着は白と決めている学校が目立った。頭の側面を刈り上げ、頭頂部を長めに残すツーブロックは禁止など、それ自体に合理性がないものもあった。
生徒らへの聞き取り調査によると、校則の理由として教諭から、耳より下に後ろ髪を縛らなければいけないのは「男子がうなじを見て欲情するから」、髪形やゴムの色を決めるのは「統一感を出すため」などと告げられたという。