鬼滅の刃のアニメ制作会社の近藤光社長が有罪判決
「鬼滅の刃」など人気アニメを制作する会社とその会社の社長が、脱税の罪に問われた裁判で、東京地裁は社長に対し執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。
アニメ制作会社「ufotable(ユーフォーテーブル)」と社長の近藤光被告は3年間でおよそ1億3800万円を脱税した罪に問われています。 近藤被告はこれまでの裁判で、競争が激しいアニメ業界の現状に触れた上で、「運転資金のためにカネをためていた」などと起訴内容を認めていました。
「経営者として強い非難を免れない」
東京地裁は「ヒット作品に恵まれるかどうかが収益を左右することは、程度の差こそあれ、アニメ業界特有の問題ではない」「経営者として強い非難を免れない」などと指摘し、近藤被告に懲役1年8か月執行猶予3年、会社に対して罰金3000万円の有罪判決を言い渡した。
漫画家・吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)氏原作の人気漫画「鬼滅の刃」を、同社がアニメ化した「鬼滅の刃」の最新シリーズ「-遊郭編」が放送されている中での、有罪判決となった。
近藤光社長が有罪判決を受けたことを謝罪
「今般、弊社及び弊社代表が、法人税法等違反事件につき有罪判決を受けました。弊社作品を応援いただいておりますファンの皆さまをはじめ、関係者にご心配、ご迷惑をおかけしたことについて誠に申し訳なく、心よりお詫び申し上げます。本件を契機として、持続可能なより良い作品づくりに向けた制作環境の整備に向け、法令を遵守し、経営の適正化に一層努めて参ります。」(原文のまま)
法人税法違反の件は、20年6月3日に公式サイトで同社と近藤社長が東京国税局から告発を受けたと報告し、その際「国税当局の指導に従って、平成27年8月期(2014年9月~2015年8月)、同29年8月期(2016年9月~2017年8月)及び同30年8月期(2017年9月~2018年8月)の3期について修正申告を行い、全額納税いたしました」と報告。その後、今年7月9日に同社と近藤社長が法人税法違反などの疑いで起訴されたことを、
公式サイトで発表
「今般、弊社及び弊社代表が、法人税法等違反の疑いで起訴されました。弊社作品を応援いただいておりますファンの皆さまをはじめ、関係者にご心配、ご迷惑をおかけすることについて誠に申し訳なく、心よりお詫び申し上げます」
今回の起訴を受けて、同社は「国税当局の指導に従って修正申告を行い、全額納付いたしました。本件を契機として、持続可能なより良い作品づくりに向けた制作環境の整備に向け、法令を遵守し、経営の適正化に努めて参ります」と法令順守を約束。
「鬼滅の刃」とは
漫画家・吾峠呼世晴氏原作の人気漫画で、大正時代を舞台に、主人公竈門炭治郎(かまど・たんじろう、アニメの声=花江夏樹)が家族を殺した鬼と戦うために修業して「鬼殺隊」に入隊し、鬼と化した妹禰豆子(ねずこ、同=鬼頭明里)を人間に戻す方法を探して戦っていく物語で人気が爆発的に高まった。
映画化した「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」は、興行収入403億円を突破した。超人気アニメである。
アニメ制作会社ufotable(ユーフォーテーブル)とは
2000年に設立し、東京・杉並区に本社を置く、アニメ制作会社で、アニメーション企画、制作、シリーズ構成、シナリオ制作やテレビ番組、PVなどの実写映像企画・制作、CG制作クレイ・アニメーションの制作を行っている。
また携帯電話コンテンツ、ウェブサイトの企画・制作・運営やキャラクターの企画・開発・デザイン、著作権の管理、アーティストのマネジメントなども行っている。