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フェミ議連「ミニスカ、乳揺れ、交通安全動画に本当に必要か?」

フェミ議連「ミニスカ、乳揺れ、交通安全動画に本当に必要か?」

千葉県警がSNSで公開した交通ルール啓発動画に出演する女性バーチャルユーチューバー(Vチューバー)の容姿について、全国フェミニスト議員連盟が「性的だ」と抗議して削除された問題をめぐり、議連は8日、会見を開いた。議連は「表現の自由の問題ではなく、Vチューバーのことも問題にしていない。警察が子ども向けの交通安全動画に採用したことを問題視している」との見解を示した。

◆「警察、率先して見せるのか」
共同代表の増田薫・千葉県松戸市議は「小中学生に対してむやみに肌を露出し、胸の揺れが強調された女子中高生風のキャラクター動画を公共機関である警察署が率先して見せるのが当たり前の社会を私たちは求めていくのですかと問いかけたい」として、公的機関としての警察の広報活動に疑問を投げかけた。

さらに、「警察は性加害、虐待を取り締まっているのですから今回の動画についても慎重になって当然です。特に影響が受けやすく判断力が十分に発達しているとは言えない段階にある男の子たち、女の子たちがこの動画を見たときにどう映るかを私たち大人はもっと注意を払うべきではないでしょうか」と述べた。

会見では県警の動画について、「肌を露出し、大きな胸が揺れます。極端なミニスカート。子どものための交通安全の動画にこのようなキャラクターが本当に必要なのか。不要なアイキャッチャーとして使われているんじゃないか」と指摘した。

議連の抗議後に動画が削除されたことをめぐっては、「表現行為への偏見や差別」だとして、逆に議連に抗議するネット署名が展開され、約6万7000人(10月7日午前10時時点)が署名。「女性への偏見を助長する」との議連の主張と、「表現の自由」をめぐって論争を呼んでいた。

「丈はきわめて短く、腹やへそを露出しています」「体を動かす度に大きな胸が揺れます」「極端なミニスカートで性的対象物として描写し、かつ強調しています」

◆「女性の偏見を助長」

今回の千葉県警の交通ルール啓発動画には、同県松戸市のご当地Vチューバーとして活動する「戸定梨香(とじょうりんか)」が出演して、7月にユーチューブで公開された。戸定梨香が約3分間にわたって、自転車走行の際に、ヘルメットを着用したり、ライトを点灯させたりするなどのルールを守るよう呼び掛けていた。

議連は8月、この動画の削除や謝罪を求める文書を県警などに提出していた。キャラクターが着用するセーラー服のような衣装について「丈はきわめて短く、腹やへそを露出しています」「体を動かす度に大きな胸が揺れます」「極端なミニスカートで性的対象物として描写し、かつ強調しています」として「女性の定型化された役割に基づく偏見及び慣習を助長しています」と指摘した。

その上で、国連の女性差別撤廃委員会からの勧告をもとに「公共機関である警察署が、女児を性的対象とするようなアニメキャラクターを採用することは絶対にあってはならない」と訴えていた。

◆県警「不適切と意見あった」、議連含むかは明言せず
県警の担当者は削除の理由について、本紙の取材に対し、もともと動画の期限が9月17日までだったことに加え、「部外からキャラクターが不適切ではないかとの意見があったことや、子ども向けの動画としていた製作したのに、本来の意図とは異なる形で興味本位に受け取られてしまう懸念が出たため」と説明している。

<質疑応答>
Q 公的機関はどのような点に気をつけたらいいと考えるか。
A 基準は非常に難しい。内閣府は公的広報の手引で「女性をむやみにアイキャッチャーにしていませんか」「内容と無関係に女性の水着姿や、体の一部などを使うと性的側面を強調していると受け取られるおそれがあります」としている。つまり、広報の目的は何で、おへそを出したり、胸を揺らす表現が、その広報に必要なのかをまずきっちとみることが重要だ。

必要ない単なるアイキャッチャーであれば、そうではない性的なものを喚起させないものにしていただきたい。

Q なぜ脅迫が起きていると考えるか。SNSなどネット上の意見とずれがないか。
A Vチューバーを否定するものではないし、表現の自由の侵害にはまったく当たらない。フェミ議連と警察の対決でもない。削除を要求したが、判断するのは警察。けんかをしたいわけではなく、よりよい社会にしたい。

「『男性が青、女性が赤』という決めつけは性的少数者への配慮が足りない」

男性用は青色、女性用が赤色って当たり前?-。兵庫県明石市が公園に整備するトイレについて外装の色を市民投票で決めたところ、「性的少数者への配慮が足りない」と指摘され、男性用を青、女性用を赤とした最多票の案を撤回した。最近は街中で、利用者の性を特定しなかったり、男女で色分けしなかったりするトイレを見かけるが、どんな「配慮」が求められるのだろうか。

市民から最多の票を得た配色案が覆ったのは、同市大久保町松陰、石ケ谷公園にある「あそびの丘」に設置するトイレ。市は「利用者の声を反映させたい」として配色が異なる5種類のデザイン案を用意。7月17日から約2週間、公園に投票箱を置き、親子ら743人が投票した。

開票の結果、男性用が淡い青色、女性用が淡い赤色の案が最多の208票を獲得した。次点は8票差で、全体を落ち着いた茶系色で統一し、性別の色分けがない案だった。

明石市の担当課は最多の配色案を選んで公表すると、市民から意見が2件寄せられた。市によると「『男性が青、女性が赤』という決めつけは性的少数者への配慮が足らない」「市は性的少数者が暮らしよいまちづくりと言いながら、過去の固定概念にとらわれている」とする問題提起だった。

担当職員は、性的少数者への理解を進める施策などを担当する庁内のSDGs推進室に経緯を伝えた。同室は「市民の選択を最優先するのは当然だが、用意する選択肢でもっと配慮ができたのではないか」と応じた。市は再び協議し、性別で色分けしない次点の配色案に変更した。