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悲報 | ゴルゴ13の作者 さいとう・たかをさんが死去

ゴルゴ13の作者 さいとう・たかをさんが死去

「ゴルゴ13」で知られる劇画家さいとう・たかをさん(本名・齊藤隆夫)が24日午前10時42分、膵臓(すいぞう)がんのため亡くなったことを小学館のビックコミック編集部と、さいとう・プロダクション公式サイトで発表。

葬儀は親族のみで執り行ったという。

「ゴルゴ13」の連載は、継続

「ゴルゴ13」の連載は、さいとうさんの遺志のもと、スタッフと編集部が協力して今後も継続の予定だという。

さいとう・たかを氏の経歴

さいとうさんは、1936年(昭11)11月3日、和歌山県和歌山市生まれ。1955年(昭30)に「空気男爵」(大阪・日の丸文庫刊)でデビュー。貸本向け漫画誌の中心的な存在として、大阪で精力的な活動を続け、60年の「台風五郎」の大ヒットで不動の人気を獲得した。

その後、活動拠点を東京に移し「さいとう・プロダクション」を設立、作品制作過程における分業化をはかり、脚本部門を設けるなど、プロダクション形態の劇画制作システムを構築。代表作に「ゴルゴ13」(『ビッグコミック』で連載中)「鬼平犯科帳」(『コミック乱』で連載中)「仕掛人藤枝梅安」「影狩り」「無用ノ介」「サバイバル」「雲盗り暫平」などがある。

さいとう・たかを氏の受賞歴

「ゴルゴ13」で75年に第21回小学館漫画賞、02年に第31回日本漫画家協会賞・大賞を受賞。03年に紫綬褒章受章、04年に再び「ゴルゴ13」で第50回小学館漫画賞審査委員特別賞受賞、10年に旭日小綬章受章。18年に「ゴルゴ13」が連載50年を迎え、同年、和歌山県文化表彰文化賞、19年には名誉都民の顕彰を受ける。同年に第23回手塚治虫文化賞特別賞を受賞し、20年で画業65周年を迎えた。社団法人日本漫画家協会理事も務めた。

 

さいとう・たかを氏の代表作のゴルゴ13とは

「ゴルゴ13」は、国籍不明の超A級のスナイパー「ゴルゴ13」ことデューク・東郷の活躍を描く劇画作品で、68年11月29日発売の「ビッグコミック」(小学館)新年号から連載を開始し、今年で53年目を迎える。制作過程を分業制にし、これまで延べ50人以上の脚本家がシナリオに協力。その時々の“今”を切り取ったリアリティーを追求した作品作りに取り組んでいる。現在も「ビッグコミック」にて連載中で、ストーリーは600話超、「ゴルゴ13」シリーズの累積発行部数は3億部を超えている。

6月5日には単行本の201巻がリイド社から発売され「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」のカテゴリーでギネス世界記録に認定され同カテゴリーで16年にギネス世界記録に認定された、秋本治氏の漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(集英社)の200巻を上回った。

さいとうさんはギネス世界記録認定の際、コメントを発表し「これからも、続けられる限り、体力が持つ限り描き続けたいです。『ゴルゴ13』は私の作品であると同時に、読者のものでもありますからね。いつも待ってくれている読者のために、一話一話ひとつずつやっていきたいと思います」(コメントは原文のまま)と、この先の創作への意欲を、強く訴えていた矢先の死だった。