矢口高雄さんが死去
「釣りキチ三平」など自然と人の関わりを描いた漫画家の矢口高雄(やぐち・たかお)さんが膵臓がんのため東京都内の病院で死去した。81歳。
「釣りキチ三平」の連載を開始
秋田県の高校を卒業、銀行員として働いた後、漫画家へ転身し、1973年に「週刊少年マガジン」で「釣りキチ三平」の連載を開始。大自然の中で生きる少年、三平三平が釣り名人として活躍する物語は、釣りブームの中で人気を呼んだ。10年間連載され、テレビアニメや実写映画になった。
「マタギ」「幻の怪蛇バチヘビ」
東北の自然と人に題材を得た他の作品も相次いで評判となり、幻のヘビ伝説を取り上げた「幻の怪蛇バチヘビ」はツチノコブームを起こした。クマの狩猟をなりわいとする人々を主人公にした「マタギ」は、日本漫画家協会賞大賞を受賞した。
エッセーも手掛け、「ボクの学校は山と川」の一節は学校の教科書にも掲載された。故郷の秋田県で95年に開館した、横手市増田まんが美術館の名誉館長を務めた。
ちばてつや氏「とても寂しい」
ちばてつや氏
ちば氏は25日、ブログを更新。「同じ年だし、同じ時期に、同じ週刊少年マガジンで連載していた同級生なので、とても寂しいです。心よりお悔やみ申しあげます」と哀悼した。
森川ジョージ
森川ジョージ氏はツイッターで「矢口高雄先生にもう会えなくなってしまった。残念だ。先日僕は漫画家協会に入会した。偉人とも言える先輩達の姿と言葉を動画にして残しておきたいというのが目的だった。入会直後にユーチューブがしたいと提案した。間に合わなかった。残念でならない」と悔やんだ。
赤松健氏
赤松健氏は「矢口高雄先生のご冥福をお祈りいたします。日本漫画家協会の理事を退任されたのは、これだったのか。まさかこないだの理事会(※例の落書きの時)でお会いしたのが最後になってしまうとは・・・」とツイート。9月11日には「こないだ漫画家協会の理事会で、熱心に聞いていると思われた矢口高雄先生が実は落書きをしていた。見ると精悍な野生動物の絵で、あまりに上手すぎるので誰も注意せず、むしろみんなでそれを鑑賞していた」と、矢口さんに関するエピソードをつづっていた。